REMEMBER & CONNECT全部より、まず
ひとつ覚えよう。
呼び名と会話を、次の接客へ
淡いイエローのプリーツドレスとサイドの編みおろしで、ノートを抱えて話を聞く女性の線画

「さっき聞いたはずなのに、名前が出てこない」「前に会った方だけれど、何を話したか思い出せない」。初めての接客では、会話やお酒の用意に気を取られ、名前まで覚えきれないことがあります。

最初から全ての情報を暗記しようとしなくても大丈夫です。呼び名を確かめる、短くメモする、次の接客前に見返す。この流れを決めておくと、記憶だけに頼る負担を減らせます。

今回は、お客様との会話を次につなげるメモの残し方と、思い出せないときに使える聞き直し方を紹介します。

初めは、この2つを残すところから
  • お客様が希望する呼び名と、その読み方
  • その日に話した内容のうち、次の会話につながることを一つ

記録の方法はお店に確認しましょう。本名や詳しい私生活を、覚えるために無理に聞き出す必要はありません。

最初の席では「何とお呼びしたらいいですか?」

本名を集めるより、呼ばれたい名前を確認

名字、下の名前、ニックネームなど、お客様が希望する呼び方を聞きましょう。自己紹介で聞いた名前と、普段呼ばれている名前が違う場合もあります。

初対面で聞く例

「私は○○です。何とお呼びしたらよろしいですか?」
「では、△△さんとお呼びしてもいいですか?」

聞いた名前を一度自分でも口にすると、読み方の確認にもなります。読み方に自信がないまま何度も呼ぶより、その場で確かめておきましょう。

聞き取れなかったら、早めに聞き直す

音楽や周囲の会話で聞こえなかったときは、わかったふりをしなくて大丈夫です。相手の顔を見て、短く聞き直しましょう。

聞き取れなかったとき

「すみません、お名前のところを聞き取れなくて。もう一度教えていただけますか?」

会話の中では、「△△さんも映画がお好きなんですね」のように、流れに合うところで呼び名を使います。覚えようとして毎回の返事に名前を入れる必要はありません。

接客後のメモは、長文より「思い出す手がかり」

席を離れた後、お店が認めるタイミングと方法でメモを残しましょう。接客中にスマートフォンを操作したり、お客様の前で個人用の記録を始めたりする前に、店内のルールを確認してください。

書くことを絞るなら、呼び名・会った日・会話の手がかりから始められます。余裕があるときに、接客で確認できた好みや、次に聞きたいことを加えましょう。

メモの記入例/架空のお客様

呼び名:たかさん
会った日:○月○日
話したこと:休日に映画を観るのが好き
その日の希望:飲み物は甘さ控えめを希望
次に聞けそうなこと:最近観てよかった作品

この程度でも、次の会話の入り口になります。毎回全ての欄を埋める必要はなく、忙しい日は呼び名と話題だけでも残しておきましょう。

相手が話したことと、自分の想像を混ぜない

たとえば、出張の話をしただけで「営業職」、時計が印象的だっただけで「お金持ち」と決めつけると、次の接客で話がかみ合わなくなることがあります。

メモには「来週出張と話していた」のように、確認できたことを書きます。聞き取れなかった内容は、確かな情報として残すより「未確認」と分けておくほうが、後で混同しにくくなります。

同じ呼び名の人は、会った日や話題で区別

同じ名字やニックネームのお客様がいる場合は、来店日や会話の内容など、必要な手がかりを組み合わせましょう。お店に顧客を区別する決まった方法があれば、それに合わせます。

外見をからかうようなあだ名を付けたり、ほかの人が見たら誤解する言葉を残したりするのは避けてください。本人に見られても失礼にならない言葉を選ぶと、記録の内容も整えやすくなります。

次の来店前は、一つだけ会話の入り口を選ぶ

来店予定がわかったら、前回のメモを見て、呼び名と話題を一つ確認します。全てを読み上げるように話す必要はありません。

前の話を自然につなぐ例

「前に映画がお好きだと伺いましたよね。最近も何か観られましたか?」

相手が楽しそうに話し始めたら、その話を聞きましょう。あまり乗り気でなければ、同じ話題を続けず、その日の様子に合わせて切り替えます。

前回の好みも、その日の希望を確認する

前回好きだった飲み物でも、今日は別のものを選びたいかもしれません。「前回は甘さ控えめでしたが、今日はどうされますか」と確認できれば、メモを押し付けずに使えます。

お酒や注文の対応は、お店の手順に従ってください。覚えているからと、確認前に勝手に注文や提供を進めないようにしましょう。

一緒にいる人の前では、話題を選ぶ

以前、二人で話した内容を、次の来店で同席者の前に出してよいとは限りません。家庭や仕事の悩みなど、私的な話題は自分から広げない配慮も必要です。

「知っていることを全部伝える」ことより、今この場で話しやすい内容かを考えましょう。会話そのものに迷うときは、初めての接客で使える会話例も確認してみてください。

名前が出てこないときは、短くおわびして確認

席につく前に、確認できる相手がいる場合

お店で決められた範囲で、スタッフに呼び名を確認します。「あの人、誰でしたっけ」と大きな声で話すのではなく、接客に必要なことだけを落ち着いて聞きましょう。

スタッフへの確認例

「これからつく席のお客様の呼び方を、確認させてもらえますか。前回お話しした方かも、わかる範囲で教えてください」

お客様にもう一度教えてもらう場合

名前が思い出せないとき

「申し訳ありません。お名前をもう一度教えていただけますか?」

教えてもらったら、「ありがとうございます、△△さん」と確認して会話へ戻ります。飲酒や忙しさを言い訳にしたり、「もちろん覚えています」と話を合わせたりするより、短く確認する形を用意しておくと慌てにくくなります。

名前を間違えてしまった場合

訂正するとき

「お名前を間違えてしまい、申し訳ありません。△△さんですね。教えてくださってありがとうございます」

長い言い訳を重ねず、その場で訂正しましょう。接客後はメモも見直し、別のお客様の情報が混ざっていないかを確認します。

メモは増やすより、見返せる形で保管する

記録場所を、お店のルールに合わせる

紙、スマートフォン、お店の管理ツールなど、使ってよい方法を最初に確認します。記録を複数の場所へばらばらに残すと、古い情報を見たり、別のお客様と取り違えたりしやすくなります。

個人の端末で管理してよいか、誰と共有してよいかも確認してください。紙は人目につく場所に置かず、端末は画面ロックを使い、他人に見せる画面へ顧客メモを開いたままにしないようにします。

接客に不要な情報まで集めない

覚えるために、住所や詳しい勤務先を調べたり、本人の許可なく写真や音声を残したりする必要はありません。記録は接客に必要な範囲に絞り、お客様の情報をSNSへ投稿しないようにしましょう。

保存や削除の扱いも、お店の方針を確認します。異動や退店のときに、顧客情報を自己判断で持ち出さないことも大切です。

勤務の終わりに、読み返せないメモだけ整える

毎回きれいに清書しなくても、読み方が不明な名前や、省略しすぎた話題を補うだけで使いやすくなります。次の接客で違う好みを聞いたら、日付を添えて更新しましょう。

次の出勤から試す、小さな3ステップ
  1. 最初に、希望する呼び名を確認する
  2. 接客後に、呼び名と話題を一つ残す
  3. 次に会う前に見返し、曖昧なことは確認する

覚えきれない自分を責めるより、思い出せる仕組みを少しずつ作っていきましょう。

自分の名前を伝える準備は、名刺の書き方と自然な渡し方でも紹介しています。

初めての接客も、ひとつずつ。
教わりながら始められるか、お店探しの段階で相談してみましょう。

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